質問
市販薬で麦門冬湯乾燥エキスが入っている『エフストリン錠剤』店推奨品があるのですが、麦門冬湯だけの漢方と迷う時があり、使い分けが分からず教えて頂けますか?
解答
結論:
「これで効かなかったり、効いても薬が手放せないような状態なら受診してね」と言う目安。
ただし麦門冬そのものはそこまで役に立っていないと考えていい。(量が非常に少ないため)
また、これに入っているのは「麦門冬湯」ではなく「麦門冬」である点も注意が必要。
エフストリンの構成成分
1日量(9錠)中 ジヒドロコデインリン酸塩30mg、dl-メチルエフェドリン塩酸塩75mg、ノスカピン45mg、グアイフェネシン300mg、クロルフェニラミンマレイン酸塩12mg、無水カフェイン150mg、バクモンドウ乾燥エキス300mg(原生薬換算量:1.5g)
内容的には市販薬で使いうる咳止め成分をほぼ全部のせ(デキストロメトルファン除く)したような薬です。
つまり、これでダメなら市販薬では対応不可という目安にはなります。
また、かぜの咳の場合はデキストロメトルファンの方が有効と考えられる1、2)ことや、麦門冬そのものは補陰薬であり、「補う」という「身体の内側へ向かっていくベクトル」の薬なので、この2点からもかぜの初期などには不向きです。
基本的にはかぜの後などに長引く咳などに対して優先的に使用し、それでも1箱使い切ってまだ咳が治らない場合は咳喘息や気管支喘息、その他の呼吸器系疾患の可能性もあるので、病院を受診してもらうといいです。
参考文献
1)Chest. 2013 Dec;144(6):1827-1838. PMID: 23928798
2) Cochrane Database Syst Rev. 2018 Apr 10;4(4):CD007094. PMID: 29633783