夜更かしはなぜ体に悪い?脾が傷つく3つの中医学的理由
お疲れ様です、薬剤師きたくんです。
今回は、ちょっと深掘りしたテーマでお届けします。
よく「夜更かしは体に悪い」と言いますよね?
西洋医学では、睡眠不足が免疫やホルモンに悪影響って話はよく聞きますが、
中医学では“脾(ひ)”が一番ダメージを受けるって考えられてるんですよ。
今日はその「なぜ夜更かしで脾が傷つくのか?」というお話を、東洋医学の理論からしっかり説明します。
■脾とは何か?なぜそんなに大事?
まず「脾」ってどんな臓器かを簡単に説明すると、中医学では「消化吸収・気血の生成・水分代謝」を担う超重要ポジション。
つまり、エネルギー(気)も栄養(血)も、水分の巡りも、脾が元締めなんですね。
この脾が弱ると、食欲不振・だるさ・浮腫み・下痢・集中力の低下…あらゆる不調に繋がります。
■夜更かしが脾を傷つける3つの理由
夜ふかしすると、なぜそんな脾がやられてしまうのか?
答えは、中医学でよく出てくる五臓の関係と「陰陽バランス」にあります。
① 気の消耗 → 脾が酷使される
夜は本来「陰」の時間。
陽気を休ませ、体を養う時間に活動してしまうと、陽気を消費しすぎてしまいます。
でも「気」を作るのは誰かというと、そう、脾なんです。
つまり、脾が“気”を作ってるのに、その“気”をどんどん使いまくるから、脾が疲れ果てる。
これが一つ目のダメージです。
② 心血の消耗 → 心生脾の助けが弱まる
夜は「心が血を蔵する」時間。
この「心血」は、脾の働きを支えるサポート役でもあります(これを心生脾といいます)。
でも夜更かしをすると、心血が十分に養われず、脾の働きを支える力も落ちてしまう。
その結果、脾の消化吸収力や、血を漏らさずに保つ“統血作用”が低下してしまうんですね。
③ 肝血の消耗 → 肝乗脾が強まる
そして最後、ちょっと難しい話になりますが、「肝」と「脾」は拮抗関係にあります。
普段はバランスを取ってるんですが、夜は「肝が血を蔵する」タイミング。
ここでも血が足りないと、肝気が暴走しやすくなり、**脾を抑えつけてしまう(これを肝乗脾)**という状態に。
結果的に、食べたものがうまく消化できない・下痢になる・お腹が張る・イライラ胃もたれみたいな症状につながります。
■まとめ:夜更かしの三重苦
つまり、夜更かしは…
- 気を消耗して、脾が疲れる
- 心血が減って、脾を助けられなくなる
- 肝血も減って、肝が暴れて脾を攻撃してくる
こんな三重苦で脾がズタボロになる、っていうのが中医学的な理屈です。
実際、夜更かしして次の日「なんか胃が重い、体がダルい」ってなる人は、これが起きてる可能性大です。
■次回予告:子午流注の話
ちなみに中医学には「子午流注(しごるちゅう)」という、
一日の中でどの臓器が何時に活動するかっていう面白い時間割もあります。
この理論を知ると、「寝る時間ってこんなに重要なん!?」ってきっと驚くと思います。
この話は次回のテーマとして取り上げますので、お楽しみに!
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