ストレス性と思われるアレルギー症状

病院の検査の結果、内臓やアレルギーも、全て何も異常なし。でも症状が出る。 ストレスですね。で片付けられると言う方が11月異様に多かったです。 酷いじんましん、酷い鼻炎様症状、軽い方も居ましたが、ステロイドなどもダメとなると、漢方の領域なのかな?と思いました。 春先にはまた増えそうに思うので、これ!と言う物があれば知りたいです。 なかなかリアルタイムでは見れないのですが、よろしくお願いします。

回答

これは様々なケースが考えられますが、11月に増えやすいのは血虚に伴う冷えからくる皮膚症状です。

当帰飲子や当帰四逆加呉茱萸生姜湯、十全大補湯などの補血剤の適応になりますが、逆に血虚から熱証になっているケースもあり、そのような場合は温清飲や荊芥連翹湯、柴胡清肝湯などが選択肢になることもあります。

なぜ11月にアレルギー症状が出る?

11月というと本格的に乾燥して冷えてくる季節ですので外的要因としては「燥邪」と「寒邪」などの外邪に侵されることが考えられます。この場合のイメージはシンプルに「乾燥して冷える」です。

しかし、冷えているなら鼻炎や皮膚炎などのアレルギー症状が出るのは不思議ですよね。これらはどちらかと言うと炎症の症状なので熱証の部類です。

これには季節的な「乾燥」や「冷え」といった外的要因の他に、血虚や陰虚などの「身体側の陰の不足」が関与していることが多いです。

陰虚とは?

陰虚とは身体の液体成分(血、津液、精など)が不足している状態全般を指します。

陰が不足すると身体を潤せなくなるので乾燥しやすくなります。

乾燥すると痒くなりやすかったり、少しのハウスダストや花粉などにも反応してしまいます。このように陰(潤い要素)が不足すると人間の身体は過敏になります。

これは皮膚でも粘膜でも、もっというとメンタルでも同じ考え方です。

「陰(潤い)が不足すると、少しのことで熱くなる」というのが陰虚全般の傾向です。

陰虚の原因

陰虚になる理由にもまたいろいろあります。

腎陰の消耗

例えば加齢により腎陰(生命力のガソリンみたいなもの)が不足すると、全身の陰(潤い)が保てなくなるので陰虚の症状が出ます。

腎陰は「生命の燃料」みたいなものなので、当然ながら体温維持などにも関与します。

よって体温維持にエネルギーをたくさん使う冬の季節は腎を消耗する季節と言えます。

腎陰が不足する原因は加齢(老化)が最も大きいですが、他にも過労や長期のストレス、勉強のし過ぎ、房事過多(夜の営みのしすぎ)などにより若い人でも腎陰が不足することはあります。

このような状態に冬の乾燥や冷えが重なると寒暖差アレルギーのような症状が現れます。

この場合は冷えが根本的な原因なので、熱証でも八味地黄丸などで腎陰を補いながら附子や桂皮で温めるようなアプローチもあります。ほてりやのぼせが強いなら陰虚による熱が強いので六味丸や知柏地黄丸なども選択肢になります。

血虚

他に多いのは血虚です。血虚の原因に腎陰虚が潜んでいることもありますが、ここではそれは別物という前提で話します。

血虚の原因にもまた多数ありますが、いったん原因を無視して「血虚」にフォーカスします。

血虚になるということは血が少ないので、身体が冷えやすくなります。それでいて皮膚や粘膜に栄養は運べないので乾燥して過敏になります。その結果、湿疹や鼻炎などのアレルギー様の症状が現れます。

つまり「寒いのに火照る」という不思議な状態が出来上がります。しもやけの時に手足は冷えているのに赤く痒くなる理由もこれです。血が不足しているので「温められないけど乾燥して過敏」になっているわけです。

このようなケースには当帰四逆加呉茱萸生姜湯や当帰飲子を使います。

しもやけなどの「冷えによる血流不良+それに伴うかゆみなど」に使うなら当帰四逆加呉茱萸生姜湯、

そうではなく皮膚の乾燥や痒みが顕著なら当帰飲子を使います。

この2つの違いは

・当帰四逆加呉茱萸生姜湯は補血して温めて発散することで血を巡らせることがメイン

・当帰飲子は血を補いつつ皮膚を潤して過敏性を抑えることがメイン

と言う感じです。どちらも補血剤というベースの性質は同じですが、重きを置いている作用が異なるというイメージです。

ただし血虚の背景に脾気虚などの「気の不足」も合わさっている「気血両虚」では上記2剤は使いづらくなります。

なぜなら血を作るためには気が必要なので、血と一緒に気も不足しているなら補気を先にしてあげないと補血剤は効果を発揮しにくいばかりか胃腸の負担になることもあるためです。

気血両虚

先ほど挙げた血虚のさらに背景として気虚があるなら気血両補剤や補気剤を使う必要があります。

最も定番は十全大補湯です。気血をどちらも補いながら巡らせる役割があります。先ほど挙げた血虚に当てはまりつつ、胃腸も弱っていたり体力も虚弱な場合は十全大補湯を使います。

十全大補湯も使えないぐらい顕著な食欲不振などの胃腸症状があるなら補中益気湯や人参湯などの補気剤で気を補う必要があります。人参湯は特に食欲不振と胃腸の冷えが強い人向けです。

その他

血虚の背景にストレスがある場合もあります。例えば肝気鬱結といって、ストレスや自律神経失調などで肝に気が停滞して肝気を消耗してしまうと、肝が部分的に血虚になることもあります。

このような場合はストレス性の冷えのぼせや発汗、肩こり、軽い便秘などの症状が現れ、加味逍遙散などが適応になります。

体力があるのに血が上手く巡らないタイプなら瘀血が関与するので桂枝茯苓丸を使いますし、

それでいて皮膚の炎症が目立つなら温清飲なども選択肢になります。

鼻の粘膜に症状が目立つなら荊芥連翹湯などで身体の上の方の症状にフォーカスしますし、小児などでストレス性の蕁麻疹や湿疹が起こるなら柴胡清肝湯を使うこともあります。

他にも上がりそうですが、いずれにしても寒暖差によるアレルギー症状には様々な要因があることがイメージできればOKです。

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