めまいに加味帰脾湯の例

A:

めまいがするんです。

B:

いつ頃からですか?また、めまいはどんなふうに感じますか?ふわふわする感じですか?それともグルグル回るような?

A:

1週間くらい前からです。立ち上がるときや動いたときにフワッとする感じです。

B:

なるほど。疲れやすさや食欲不振、顔色の悪さなど、体のだるさや虚弱を感じることはありますか?

A:

はい、最近ずっと疲れやすいです。夜もあまり眠れなくて、顔色も自分で青白い気がします。

B:

わかりました。動悸がしたり、不安感が出たりすることはありますか?また、月経に関するトラブルや量の変化はありますか?

A:

動悸はたまにあります。月経は最近ちょっと遅れがちで、量も少なめかもしれません。

B:

ありがとうございます。今のお話から判断すると、「血虚」によるめまいが考えられます。おすすめの漢方薬は 加味帰脾湯(かみきひとう) です。

◆ 解説パート

今回の症状は「めまい」。めまいには多様な原因がありますが、Aさんの訴えを整理すると以下のような特徴があります:

  • めまいの性状: グルグルではなく、フワッとする浮動性めまい
  • 誘因: 立ち上がりや動作時に発生
  • 随伴症状: 疲れやすい、不眠、顔色が青白い、動悸、月経遅延と量の減少

これらの情報から、Aさんは「心脾両虚の血虚証」にあると考えられます。

◆ 証の分析

  • 「ふわふわするめまい」: 血虚により脳や頭部への栄養が不足している状態
  • 「疲れやすい・不眠・動悸」: 心脾虚弱により、血が作られず、心を養えないため
  • 「月経の遅れ・量の減少」: 血虚により衝任脈が充たされず、月経に影響
  • 「顔色が青白い」: 血が不足している証拠

◆ 処方解説:加味帰脾湯

加味帰脾湯は、心脾両虚からくる 不眠・めまい・動悸・倦怠感 に対する代表的な処方です。主な構成生薬には、以下のような作用があります:

  • 人参・黄耆・白朮・大棗: 脾を補い気を生む
  • 当帰・竜眼肉・酸棗仁: 血を補い心を安定させる
  • 茯苓・遠志: 心神を落ち着ける
  • 柴胡・山梔子: 気の滞りを取り除き情緒不安を緩和

特に、「不眠+めまい+疲れやすさ+女性の月経異常」 というセットがある場合に非常に適しています。

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