導入:
お疲れさまです。薬剤師きたくんです。
今回は 「自律神経の不調」 をテーマにお話します。
「最近なんとなく体調がすぐれない」「検査しても異常はないのにツライ」ってこと、ありませんか?
実はそれ、**“自律神経の乱れ”**といわれる状態かもしれません。
でも、漢方ではこれを「自律神経失調症」という一つの病気とは見ません。
じゃあどう見るのか?それが今回のテーマです!
本題:
■そもそも「自律神経の不調」って何?
・イライラ、不安、不眠、動悸、胃もたれ、便秘、冷え、のぼせ…
こんなにバラバラな症状、ひとまとめに「自律神経失調症」と言われることも多いんです。
でも、漢方ではこれを一つの病気とせず、「証(しょう)」=体内バランスの崩れ方として捉えます。
■漢方で考える“自律神経の乱れ”の代表パターン
では、具体的にどんなタイプがあるのか?代表的なものをいくつかご紹介します。
①「イライラ・不安が強い」ストレス型【肝気鬱結】
✅ 胸がつかえる、ため息が多い
✅ PMSや生理不順もある
✅ ストレスを感じやすく、感情の浮き沈みが激しい
👉こういうタイプは、「肝」の気の流れが滞っている状態です。
📌 おすすめ漢方薬:柴胡疏肝湯(さいこそかんとう)
→ 気の流れを整えて、ストレスによる不調をやわらげます。
②「疲れて眠れない」胃腸虚弱型【心脾両虚】
✅ 不眠、動悸、疲労感
✅ 食欲がない、胃がもたれる
✅ 緊張するとお腹を壊しやすい
👉これは、「心」と「脾」のエネルギーが不足している状態です。
📌 おすすめ漢方薬:帰脾湯(きひとう)
→ 胃腸を整えながら、不安感や不眠を改善します。
③「寝汗やほてりが気になる」陰の不足型【心腎不交】
✅ 寝てる間に汗をかく(盗汗)
✅ ほてり、耳鳴り、不眠
✅ 年齢的に更年期のサインも?
👉心と腎のバランスが崩れて、体が熱を持ちやすくなっているタイプです。
📌 おすすめ漢方薬:桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)
→ 落ち着かない気持ちを整え、ぐっすり眠れる体に。
④「なんとなくずっとダルい…」体力不足型【気血両虚】
✅ 顔色が青白く、めまいや息切れ
✅ 朝起きられない、やる気が出ない
✅ 頭がボーっとする
👉「気」も「血」も不足して、体全体がエネルギー不足の状態です。
📌 おすすめ漢方薬:補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
→ 気を補って、やる気や元気を引き出します。
⑤「むくみ・重だるさが抜けない」水の滞り型【水湿停滞】
✅ 胃腸が重い、むくみやすい
✅ 手足が冷たい
✅ 天気や湿度の変化に弱い
👉体内の“水”がスムーズに流れていない状態です。
📌 おすすめ漢方薬:五苓散(ごれいさん)
→ 余分な水を排出し、スッキリした体に。
■セルフチェックのすすめ
「寝汗が多い」「ストレスで頭痛」「食後に胃もたれ」…
症状から自分の体質タイプが見えてきます。
一つだけじゃなく、複数の証が混ざってることも多いので、プロに見てもらうのも大事!
まとめ:
✅ 自律神経の不調は「気・血・水」の乱れ方で見極めよう
✅ ストレス型、胃腸虚弱型、体力不足型など…あなたのタイプは?
✅ 漢方薬は体質に合わせて選ぶことが重要!